地域包括ケアシステムとは?

地域包括ケアシステムは、地域包括支援センターを通じて70歳以上の高齢者の生活を自宅で過ごせるように5つの分野で可能な支援を地域全体で行っていこうというものです。
最も人口が多い段階の世代と呼ばれる昭和23年前後の高齢者は2025年から75歳以上となります。これまで多くの介護サービスが生まれてきましたが、とうとう4人に一人が65歳以上となってしまうのです。いくらデイサービスや訪問介護を増やしても介護側の人数がおいつきません。
そこで生まれたのが住んでいる家で地域における社会的環境を保ちながら、医療や介護のサポートを行っていこうという地域包括ケアシステムです。具体的には、介護というより「支援」が必要な高齢者を対象に、住み慣れた場所で生活するにあたって必要な見守りや安否確認を行います。住み慣れた場所で高齢者が社会的接点をもつことで、認知症予防につながります。そのほか【地域で、支えあう~地域包括ケアシステム~】に地域包括ケアシステムのメリットや構造・事例などが載っているので、気になる人は読んでみてください。

しかし地域包括ケアシステムにはまだまだ課題となる点が多いです。
1つ目は地域の過疎化です。地域包括ケアシステムには、介護を必要とする住民の周りに人がいなくてはいけません。地域格差が広がっているため規定した介護がきちんと行われるかどうか不安が残ります。
もう一つは人と人との交流が希薄なことです。昔はご近所さん同士のつながりも深くお互いに助け合うという時代でしたが、忙しさと貧富の差からご近所だからといってあまり話さなくなってしまいました。これらを解決するためには、もう一度自治体レベルで地域住民の交流を深めていくことが必要不可欠です。