自治体ごとの地域差が課題

地域包括ケアシステムは現在、自治体ごとに大きな地域差が生まれています。多くの自治体では、地域包括ケアシステムを普及したくても医療や介護の分野に充実する人材が不足しているといった深刻な問題があったり、専門機関ごとに情報共有や連携がうまくできず、地域包括ケアシステムはあっても機能していないという課題もあります。

医療や介護の分野における人材不足は、過疎化が進む地域ではとても深刻な問題です。特に介護業界においては離職率が高く、資格を取っても介護の仕事に従事しない人の数は少なくありません。こうした問題を解決するためには、介護職にとって働きやすい職場を整備するべく、賃金面を見直すなど、自治体や施設ごとに多種多様な取り組みが行われています。
人材不足の課題を補う対策方法の一つとして、介護ICTツールやロボット介護職を導入するといった方法もあります。初期導入費用が掛かる場合にはなかなか普及が進みづらいというデメリットはあるものの、業務を効率化することによって人材不足の問題を軽減することにつながるのではないでしょうか。

医療機関や介護施設などの専門機関の情報共有が十分に行われていないという課題は、地域包括支援センターがしっかり機能していないことが原因だと考えられます。地域包括支援センターが中心となってそれぞれの専門機関から情報を吸い上げて必要な機関と共有することにより、地域包括ケアシステムの潤滑油的な機能を果たせることでしょう。