地域包括ケアシステムは、しっかり機能すれば全国どこで暮らす人にとっても、とても暮らしやすい環境を提供できます。しかし現状を見ると、認知度はまだそれほど高くありません。
公益社団法人である日本理学療法士協会が発表した統計によると、地域包括ケアシステムの存在を知っている人は全体の24%程度しかおらず、約40%の人は「名前は知っているけど詳しく知らない」という現状があります。この知名度や認知度を高めることは、地域包括ケアシステムに与えられた今後の課題と言えるでしょう。
現状の地域包括ケアシステムでは、住み慣れた自宅で暮らしたい高齢者をターゲットにした各種サービスに焦点を当てている自治体が多いものです。しかしそれでは高齢者にとっては魅力的な街でも、若い世代にとってはそうではないかもしれません。
今後の課題としては、赤ちゃんから高齢者まで、すべての世代にとって暮らしやすい街づくという観点から地域包括ケアシステムを推進することが求められます。
また、地域包括ケアシステムの窓口を設けて市民へ広く知らせ、どんなことでも気軽に相談できる場所として機能することもまた、現状に基づいた解決すべき課題の一つではないでしょうか。
地域包括ケアシステムがあることは知っていても、どこへ相談すればよいか分からないのでは、市民の役に立っているとは言えません。窓口を設けて市民へ通知するとともに、どんな内容のサービスを誰が受けられるかという情報提供することも、今後の課題です。